地下水流向流速計について

投稿日:2021年03月19日
更新日:2021年08月04日

測定方式

地下水流向流速計の測定は、単孔式(テレビ法、熱量法、電位差法、レーザー法など)、多孔式(トレーサー法、水位測定法)がある。

測定原理

テレビ法:カメラを搭載したセンサ部を単孔に入れて微粒子の移動速度、方向から流速と流向を求める。
熱量法:センサ中央部のヒーターで温め、センサ円周上の温度センサの温度変化により流速と流向を求める。
電位差法:単孔内に塩水などの溶液を注入し、測定器の円周上の電気抵抗検出器の電気抵抗変化により流速と流向を求める。
レーザー法:レーザー光の干渉縞に粒子が横切る周期から流速と流向を求める。

トレーサー法:単孔内に塩水などの溶液を注入し、周辺に設置した複数の観測孔の電気伝導度などを測定し、観測孔までの距離と到達時間により流速と流向を求める。
水位測定法:複数の観測孔で同時に水位を測定し、それぞれの水位差から流速と流向を求める。

特徴と問題点

テレビ法
・流速が速くても測定できる
・短時間で繰り返し測定することができる
・映像をビデオに記録することができる
・懸濁していると画面に映らないため測定できない
・測定箇所により流速が大きくずれる場合がある(トレーサー法/ポイントダイリューション法との複合試験を推奨)

熱量法
・地下水が懸濁していても測定できる
・小さい孔径で測定できる
・短時間で測定することができる
・流速範囲が狭い

電位差法
・流速範囲が広い
・流向の精度が良い
・地下水の電気伝導度により測定できない場合がある
・地下水の水質を変化させてしまう

レーザー法
・深い深度まで測定できる

トレーサー法
・観測孔間の実際の地盤状況が把握できる
・水位変動の影響が大きい
・流速が遅いと非常に時間がかかる
・地下水の水質を変化させてしまう

水位測定法
・長期間の観測ができる
・流速を求めるには対象となる帯水層の透水係数が必要となる
・時間の同期が必要となる

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