水位計の種類

投稿日:2022年02月16日
更新日:2023年03月17日

水位の観測方法

水位の観測は、接触型の圧力式(投げ込み式)、水晶式、フロート式、静電容量式、絶対圧式などがあり、
非接触の超音波式、電波式などがある。
また、水位量水標を設置して目視確認、カメラ監視がある。

 

測定原理

圧力式(投げ込み式)水位計の測定原理

センサーを水中に沈めて、受圧面までの圧力で水位を算出する。
設置上空の気圧の影響を受けるため、大気補正管を組み込んだり、大気圧計を同時に計測する方法がある。

価格の安さや精度の高さから、河川で水に沈めることができる箇所やボーリング孔の地下水位監視などの場所に適している。

水晶式水位計の測定原理

圧力式と原理は同様であるが、圧力を換算するための感圧素子に水晶式振動子を使っている。
なお通常の圧力式(投げ込み式)は半導体やシリコンを使用している。

圧力式と同様な場所に適しているが、さらに精度が高い半面で価格も高額の為、ミリ単位の精度を求められる場合に使用する。

超音波式水位計の測定原理

超音波パルスを水面に発信し、その反射までの時間から水面までの距離を換算する。

圧力式を河川の護岸等に設置・固定ができない場所や観測地点近くに橋梁等がある場合は、
価格と精度のバランスから超音波式を第一候補として選定する。
測定範囲としては、センサーから水面までの距離が10m、15m等のセンサーがある。

電波式水位計の測定原理

超音波式と同様であるが、発信するパルスがマイクロ波パルス(電波)となる。

超音波式と同様の箇所で設置が適している。
測定範囲としては、センサーから水面までの距離が20m、30m、50m等、超音波式では届かない場所に設置する。

電波式水位計のさらに詳しい説明はこちらから

フロート式水位計と静電容量式水位計の測定原理

フロート式水位計の測定原理
水面に浮子(フロート)を浮かべ水面変動によりフロートが上下に変動する。連動するプーリーの回転角により水位を算出する。

静電容量式水位計の測定原理
タンク天井からタンク内に垂らしたプローブ電極とタンクの壁でコンデンサを形成し、その電極間に流入する量に比例して静電容量が変化し、この変化量から水位を算出する。

各水位計のメリットとデメリット

圧力式水位計のメリットとデメリット

特徴(メリット)
・設置環境を選ばない
・センサ保護管など設置施工が必要
・大気補正管があれば精度良く計測できる
(絶対圧計は大気圧補正が必要)

問題点(デメリット)
・汚れやゴミの影響を受ける
・受圧面に流れ方向の圧力を受けると誤差を生じる
(流れを抑制する保護管が必要)

水晶式水位計のメリットとデメリット

特徴(メリット)
・圧力式と同様であるが、圧力式よりも精度が高い

問題点(デメリット)
・圧力式に比べて価格がかなり高い

超音波式水位計のメリットとデメリット

特徴(メリット)
・設置やメンテナンスが容易である
・汚れやゴミの影響を受けない
・非接触型の為、流失リスクが低い
・電波式と比較すると価格が安い

問題点(デメリット)
・温度変化や強風の影響を受ける
・放射角内に木や枝などの障害物があると影響を受ける
・センサ付近の非検知帯は計測できない
・狭い空間では乱反射して計測できない

電波式水位計のメリットとデメリット

特徴(メリット)
・超音波式と同様であるが、温度による誤差は少ない

問題点(デメリット)
・電波法令により技術基準適合証明が必要(技適)が必要となる
・超音波式に比べて価格が高い

フロート式水位計と静電容量式水位計のメリットとデメリット

フロート式水位計
特徴(メリット)
・簡易的な作りの為価格が安い

問題点(デメリット)
・波の影響を受けるため保護管が必要
・汚れ(フロートに付着する堆積物)やゴミの影響を受ける
・プーリーなど可動部が多いため、故障の原因となる
・定期的なメンテナンスが必要

静電容量式水位計
特徴(メリット)
・タンクなどの狭い空間に適している
・メンテナンスが容易

問題点(デメリット)
・ゼロ点調整を行なう場合は、タンク内を空にする必要がある
・比誘電率が変化する測定物は大きな誤差が生じる
(リファレンスセンサを併用して比誘電率の変化を補填する必要がある)
・測定物が絶縁性のものは変化しないため、樹脂被覆した電極を利用するなど工夫が必要

センサーの価格帯について

水晶式 > 電波式 > 超音波式 > 圧力式 > 静電容量式

高—————————————————————安

 

 

 

 

 

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