水素イオン濃度(pH)測定について

投稿日:2021年04月06日
更新日:2021年08月04日

測定方式

pHの測定は、ガラス電極式、半導体式、金属電極式(水素電極、キンヒドロン電極、アンチモン電極)がある。

測定原理

ガラス電極:先端の薄いガラス膜の内部に既知の溶液を入れて、参照電極とセル間の起電力により算出

半導体:半導体はISFET(イオン感応性電界効果トランジスタ)である。原理はガラス電極と同じであるが、検知部に半導体素子や絶縁膜を用いている

金属電極
・水素電極:白金黒付き白金を金属媒体として電極下方から水素ガス少量ずつ噴射させ、電極面に吸着された水素ガスと溶液中の水素イオン濃度から電位差を算出
・キンヒドロン電極:キンヒドロンを溶液に加え攪拌した中に白金電極を浸し、キンヒドロン電極と比較電極との電位差から算出
・アンチモン電極:研磨したアンチモンを比較電極とともに溶液に浸し、双方の電位差から算出

特徴と問題点

ガラス電極
・広範囲の測定が可能
・温度により膜起動電力が異なるため、温度補正が必要となる
・強酸、強アルカリでは酸誤差、アルカリ誤差を生じる
・先端がガラスの薄膜であるため破損しやすい

半導体
・ISFETは接着剤を用いるため、過酷な環境下では測定寿命が短くなる
・浸水させながらの連続測定ができない
・河川や雨水など導電率が低い溶液は安定性、再現性が劣る

水素電極
・水素ガスを常時必要とするため、危険が伴う
・塩分やその他の要因により誤差を生じる
・操作に手間がかかる

キンヒドロン電極
・測定は容易であるが測定範囲(pH8以下)が狭い
・酸化性、還元性物質があると測定ができない

アンチモン電極
・電極の純度や研磨の仕方により値が変化する
・再現性が乏しい
・ガラス電極で使用できないフッ素溶液の測定に用いることができる

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